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あたらしい看板

山の古本屋は秋仕事に追われていました。秋まきの畑の野菜のこと、落ちてくる木の実を保存食に、草刈りをして、そして大事な冬の燃料、薪運び。冬になるまえに、いそげいそげ。それから寒くなる前に、しっかり看板も作りましょう、というわけで、やっとで階段をあがったところの看板も新規作成しました。今回は入り口に古本屋としての表札もはじめて作りました。12月になると、犀川大橋の近く野町広小路交差点そばから、この山に引っ越してきて5年が過ぎることになります。

いいかんじの箱

仕入れた本の山。たくさんの待機箱。そこからある一角を切り崩し始めるとき。箱をちらっとのぞいて、「あ、これは」などと思う。倉庫から、箱を、箱から本を、と、とり出します。そして並べてみました。この箱この山、なんかいいかんじ。しらべるのが、楽しみな感じ。などとおもって写真をとりました。

外仕事と内仕事

毎日外仕事と内仕事をしています。外仕事は、この爽やかな時期にこそしておかなければならない、冬の薪支度です。小さくカットした薪を薪小屋にはこびいれます。それから草刈もします。これから10月までこのあたりの集落はいつもどこかでガソリン草刈機の音がしているでしょう。草刈期はここらでは「ほうき」と同じ扱いです。
内仕事は仕入れた本のデータ化です。6月22日には合同古書目録を発行します。かなり専門的な社会思想史の仕入れの山をただいま整理中ですが、とても手応えのある山なので、みなさんに期待していただきたいです。

前に店舗があった場所

当店の歴史は店の場所によって広坂時代、野町時代、福畠時代の三つの時代にわけられます。野町での店舗は金沢の中心街から犀川大橋をわたり、次の大きな信号までの間にありました。2007年末まで4年間商いをさせていただいた場所です。いまそこは、歴史を掘り起こして新しく「瓶割坂通り」という名前になっていました。昭和の半ばまでは商店がぎっしり並び、市電がとおり、大人もこどもも行き交う賑やかな場所だったとききました。市電はとうの昔に廃線、移転のきっかけの工事で国道は拡幅し、地中には様々なりっぱな設備が埋め込まれているそうです。以前当店があった場所は…。ビルとビルの間のコイン駐車場です。この瓶割坂にコイン駐車場は現在みっつ。そんな場所があの街この街に拡大していることでしょう。

古本屋が舞台の子ども番組!?


夕方クインテットの後番組はなんと古本屋でした! 

古くから続く本屋さん「日々はんせい堂」。背景に「古書買入」の札。「今日も店はひまだなあ。でもネットは忙しいのよねえ」とそれらしい台詞設定に驚愕。(でもリアリズム的には来客がないときこそ、仕入や整理や調べごとで多忙、ヒマということはないのです実際。古本屋は仕込みこそが肝心。なお山の古本屋になるとさらに庭・畑・薪の重労働3セット付です)

この店にもネコがいました。ネコが看板であり手足となって働いているようです。当店のネコは看板ではなく、本を囓るネズミ退治がかりという裏方です。今月も既に2匹の実績アリです。

いったいこれからどうなるのでしょう。楽しみでもあり心配でもあり、です。続きはまた見てから…。


ただいま南砺市福野で合同即売中4月5日まで

仕入れの季節はじまる

大雪の厳しい冬だったので、3月に入ると駆け足です。いえ、風景はいまだ白く雪がのこります。でも見渡せば桜に堅いつぼみ、庭には水仙の芽、雪の下からふきのとう! 人の気持ちもはやるのでしょうか、「本を整理したい」というご連絡が相次いでいます。
3月はじめは大阪へ。異動のセンセイの膨大な図書。蓄積された蔵書に向き合うと、時代の空気と、その方の決意が伝わります。古本屋の仕事は本の交通整理をして、活かすべき本に新たなラベルを張って命を吹き込み直すこと。売り主さんが背負われた重い荷物の荷下ろしをお手伝いして、新たなご出発を祝福します。 みなさん、春ですよ。

仕入れています!

ただいま玄関先には段ボール箱が大量につまれています。先日までの段ボールの山は即売後の持ち帰り分でした。しかし今週の段ボールは違います! これはすべて新規仕入れ分です。

残暑はもはや厳しくはなく、秋の虫からは早速に「冬に向かう覚悟はできているかね」と問われながら、充実の蔵書再編に向けて努めています。

来月は古書月間。
天高く、人は収穫に感謝しておいしいものをほおばり、そして長い夜には読書に励みます。通勤通学の帰りには古本屋に立寄り、寄れない日には、「日本の古本屋」サイトなどをチェックしたくなる季節が来ます。秋とはそういうものなのです。

September

9月ということで、カーラジオから竹内まりやの「September」が流れてきました。ハンドルを握りながらふんふん、という感じで聞いていましたが、おわりのほうの歌詞でギョっとなりました。

♪借りていたディクショナリー明日返すわ(明日返すわ)
ラブという言葉だけ 切り抜いた跡
それがグッド・バイ(バイバイ) グッド・バイ(バイバイ)

えーーーーっ!?
借りた本に切抜をして返すとは何事!
それにLoveのページ裏の単語の立場は!

はじめの衝撃、大きくはその二点でした。

しかしながら曲が終わっても、辞書は人様に借りるくらいなら古本屋で買うべし、お買得な、きれいな辞書いっぱいあるヨとか、いや、しかし彼女に辞書を貸した彼も、そもそもたいしていらない辞書だから貸したに違いない… は! ということは、そのあと不要の辞書は古本屋に売るつもりかな。しかしそんなものを売りに来られたら、自分はLoveの切取をすぐに見抜いてチェックできるか… 本の「のど」に近いところをマットを使ってカッターで四角く切り抜いていたとしたら発見が難しいな、辞書の紙は薄いからな、うっかり気づかず高い値段で買い取ってしまって、売ったあとお客さんからクレームきたら嫌だなあ……などと考えを巡らせているうちにとてもモヤモヤしてきました。
いえ、こんなことは職業的妄想です。

でも一言だけ言うなら、「借りた本は、事情があってもきれいに返しましょうね」ということでしょうか。「自分傷付いても、借りた本傷付けてはなりませぬ」。

寅年にちなんで

ことしは寅年ということで、正月のラジオでは柴又寅さんの話を何度かきいた気がします。幼稚園の方からは「しまじろう」の色鉛筆画の年賀状をいただきました。ダックビルのトラはなにかな、と思っていたところ、ちょうどはじめて読んだ壺井栄の「母のない子と子のない母と」に、「おとら小母さん」という登場人物がありました。しみじみする作品。今年のトラ記念はこの方にいたしましょう。

大雪で、先ほどやっとで車を掘り起こしました。この寒波も日曜日までと聞きますから、たいへんなのは少しですね。あと半月もすれば節分です。

ミスターイトウに電話しました

ミスターイトウのバターサブレはおいしいです。ハトサブレーが簡単に手に入らない金沢で店主は、普段イトウさんのサブレーをいただきます。先日食べているときに、表面の模様がどうしても気になりました。周囲には文字のようなものが描かれていますが、解読できません。二輪馬車に大きい人と小さい人が乗っているようにも見えますがはっきりしません。箱を調べても解説がありません。ハトサブレーについてはそれは細かくホームページに逸話が記載されているのですが、あいにくミスターイトウのホームページに情報はありませんでした。検索でもうまく見つけられません。おもいあまって4日迷ってからミスターイトウのフリーダイヤルに電話しました。

きいてよかった、と思うだけの内容でした。
「これは古代イラン、ササン朝ペルシャの壁画にある藤の椅子に座っている母子像をアレンジしてデザインしたものです。当時はサブレの表面に模様がないのが一般的だったので、商品開発担当者が模様をつけたら面白かろうと考え、このようなものになりました」

サブレーがササン朝ペルシャへ向かうとは、まったくの予想外。なぜそれが選ばれたのでしょう? ササン朝の壁画には、ほかにどのようなものがあるのでしょう? サブレーを食べるたび、また、イラン系の美術本を入荷するたびに思索する愉しみができました。「たいへん興味深いお答えありがとうございます。すっきりしました。今後パッケージなどに是非記載されたらよいとおもいます」など余計なことまでお願いして電話を切りました。

この件についてさらに詳しい知識をおもちの方はどうぞご教示下さい。